CIC信用情報開示報告書の見方
信用情報機関であるCICに開示を請求すると見ることができる信用情報開示報告書。
これを管理人が実際に取り寄せてみました。
カード申込時にカード会社が見ているものと同じものなのですが、初めてだと見方が分かりません…。
ここでは、複雑な信用情報開示報告書の見方を説明したいと思います。
表紙には注意書き
ここに注意書きが書いてありますが、まとめると以下のことが書かれています。
- カード会社から問い合わせがあれば開示しています。
- 事実であれば、「未払いとかの都合の悪い情報を消して!」というお願いは聞けません。
- 「ちゃんと払ってるのに未払いになってる!」ときなどはすぐに連絡してください。
カガミの次のページからは、いよいよ開示報告書の内容になります。
クレジット情報でカードの契約内容と支払状況が分かる
カード会社がカードの申し込みの審査で確認するのがこの情報です。
何が書かれているのか分かりにくい、っていうより分からない様式なので、カードの審査で重要になる部分だけを説明したいと思います。
①この情報を登録した会社
この開示報告書の内容をCICに登録した会社の名前です。
クレジットカード会社やローン会社など、CICの会員になっている会社は情報を登録しなければならないことになっており、私たちは申し込みの際にこのことに同意しています。
②契約の内容
登録されている情報が何の契約なのか?その内容が書かれています。
クレジットカードの契約はもちろんですが、それ以外でも信用情報として登録されるものがあり、すべて審査に影響することになります。
次の8種類があり、ローンや携帯電話の分割払いなどが含まれます。
表示 |
内容 |
---|---|
カード等 | クレジットカードなど |
備品賦課 | 自動車ローンや、携帯電話の分割払い |
リース | 商品のリース料 |
保証契約 | もしアナタが返済できなくなかったときに保証会社などが返済することになっている契約 |
無保証融資 | 保証のついていないキャッシング |
保証融資 | 保証のついたキャッシング |
住宅ローン | 住宅資金を借り入れた契約 |
移管債権 | 複数のクレジット契約を一本化したもの |
私の場合、「カード等」の他に次の情報がありました。
- 「備品賦課」…過去の自動車ローンや毎月支払っている携帯電話の本体の代金
- 「無保証融資」・「保証融資」…銀行のキャッシュカードについているカードローン
クレジットカードの審査では、他のカードはもちろんだが、住宅・自動車・カードローン、携帯電話の分割払いも影響する。
③極度額
つまりは限度額のことで、すべての契約の金額を合計すると、個人が最大いくらでクレジットカードやカードローンを使うことができるのかが分かります。
この金額が大きくなるにつれて、新たに申し込んだカードが発行されない可能性が高くなるので、次の2つの方法でできるだけ極度額は少なくしておきましょう。
次の方法で極度額を下げることにより、審査に通る可能性を上げることができる
- 不要なクレジットカードやカードローンは解約する
- 必要なカードであっても、限度額が「どう考えてもこんな金額使うハズないぞ!」というほど大きいものは、限度額を引き下げる(限度額を引き下げる方法はこちら)
④報告日
登録した会社が毎月の支払状況などの情報を最後にCICに情報を登録した日です。
たいていの場合、毎月の支払いがあったときに情報を登録します。
アメリカン・エキスプレスは入金状況を登録していない
有名なクレジットカード会社であるアメリカン・エキスプレスは、カードの契約の情報以外はCICには登録していないようです。
報告書をみると、毎月の入金状況や限度額など、ほとんどの情報が空欄になっています。
アメリカン・エキスプレスはCIC以外の信用情報機関であるJISSの会員なので、詳しい情報はそちらに登録しているものと思われます。
⑤残債額
登録日の時点で、カード会社などにまだ支払っていない金額で、具体的には次のようなものです。
- クレジットカード … カードを利用してまだ請求がない金額
- ローン … 残っているローンの金額
これらはまだ請求されていないものなので、審査で致命的になることはありませんが、収入や職業に対してあまりに残債額が多いと不利にはなります。
⑥返済状況
ここに異動と書かれていると、よく言われるブラックです。
1つでも異動の表示があると、どんなクレジットカードに申し込んだとしても発行してもらうのはかなり難しくなります。
なぜなら、新規申込ではカード会社は必ず信用情報を照会するので、この異動の情報を確実に見られてしまいます。
CICは5年間情報を保有しているので、その期間がすぎて異動の情報が消えるまで待つしかありません。
次の原因で異動が表示されると、カードを持つのは限りなく不可能になる
- 支払日から61日以上または3か月以上の延滞があったとき
- 保証会社がアナタの代わりに支払ったとき
- 破産手続が開始したもの
特に気をつけなければならないのが、「61日以上または3か月以上の延滞」です。
61日以上なのか?3か月以上なのか?結局どっちだ!って話ですが、これは登録会社の判断によってどのタイミングで異動の情報を登録するのか変わります。
なので、ここに登録されているカード利用額やローン返済額、携帯電話の料金は支払日までに支払うのが1番の理想ですが、最悪の場合61日以上延滞するとブラックになってしまうので注意しましょう。
⑦終了状況
この契約がどんな形で終了したのかが書かれています。
クレジットカードの契約は期限がないので、解約したときが終了になります。
次の6種類で表示されます。
表示 | 内容 |
---|---|
完了 |
|
本人以外弁済 | 保証人や保証会社が支払いを完了したもの |
貸倒 | 登録会社が代金の回収は不可能だと判断し、貸倒として処理したもの |
移管終了 |
|
法定免責 | 破産によって法的に支払いが免除されたもの |
(空欄) | 契約の継続中 |
「空欄」と「完了」以外は、結局は踏み倒している状態なので、審査では大きく不利になる。
⑧入金状況
過去2年分の支払いの状況が、次の8種類の記号で表示されます。
表示 | 内容 |
---|---|
$ | 請求どおりの入金 |
P | 請求額の一部の入金 |
R | 保証人や保証会社など、本人以外からの入金 |
A | 契約者の都合による入金なし |
B | 契約者の都合とは関係のない理由で入金なし |
C | 原因不明の入金なし |
– | カードの利用がなかった |
空欄 | カードの利用がなく、カード会社がその情報を登録しなかった |
「$」と「-」と「空欄」以外は結局は支払っていないので、審査では大きく不利になる。
これらの表示がされている場合は、2年経って入金状況が消えるまではカードの審査に落ちる確率が上がってしまいます。
⑨保有期限
CICがこの情報をいつまで保有しているかを年月で表示しています。
カードを解約したり、ローン契約の支払いを完了してから5年間は保有されます。
過去に未入金で放置したり、破産した情報も5年間はカード会社にバレてしまうということなので、「異動」などの情報が表示されている場合は、その情報が消えるまで待ちましょう。
現在使っているカードの情報は、解約するまで無期限に保有されるので空欄となっています。
申込情報で過去6か月のカードの審査結果が分かる
申込情報とは、過去6か月に申し込んだカードの情報で、新たにカードを申し込んだ時点で情報が表示されます。
この情報から、カード会社は過去6ヶ月間のアナタのカードの申込状況と審査結果を知ることができます。
もし過去の審査の結果カードが発行されていれば、申込情報とクレジット情報の2つが登録されますが、審査で落ちてしまった場合、クレジット情報は登録されません。
このことから、たとえ他の会社であっても審査に落ちていることがカード会社にバレてしまい、「この人、最近カードに申し込んで落ちてるね。ウチもやめとこっかな?」となる可能性が高くなります。
カードに申し込んで審査に落ちてしまった場合、その事実が分かる6か月間は新たなカードの申し込みは控えるのがオススメ。
利用記録の情報をみたカード会社が分かる
過去6か月の間にこの信用情報を照会した会社と日付が分かります。
カード会社は新規の申込のとき以外にも、カードの更新のときなど定期的に信用情報を確認する場合があります。
私の場合だと、アメリカン・エキスプレスが途上与信ということで3か月おきに、楽天カードがたまに照会しているようです。
もしたった1つの会社であっても次のようなことがあった場合には、限度額を引き下げられてしまったり、最悪の場合だとカードを強制退会させられてしまう可能性もあります。
限度額引き下げや強制退会の原因になる恐れのある事実
- カードの枚数を増やして合計の限度額が増えている
- 未払いや異動の情報が表示された
- 職業や年収が申込のときと変わっている
まとめ
- 信用情報には、カードやローンだけでなく、携帯電話の分割払いも登録されている
- 個人で多くの限度額があると、落ちる可能性が上がる
- 異動が表示されると、5年経過して記録が消えるまではカードを持つのはかなり難しい
- 審査に落ちてから6か月間は新規申し込みは控えた方がいい
- カード会社によっては、新規申し込み以外にも定期的に信用情報を照会している